屏風は、「風を屏(ふせ)ぐ」という言葉に由来するように防風・防寒目的、寝室や玄関などで視界を遮ったり、部屋の仕切りなどにも利用されてきました。
そのため汚れや損傷等の被害が出る事も多く、サイズも大型のものが多い為、修復にも非常に手間が掛かる表具です。
屏風のパネル(一扇と数えます)とパネルを繋ぐ蝶番は和紙で出来ていますが、屏風の中ではこの部分が特に傷んできます。
さらに作りの関係上、和紙蝶番だけを直すという事は出来ずに一度全てバラす必要があることも多く、それらの作業は熟練の技術を必要としますので、修復依頼は専門店に頼まれる事をお勧めします。
お預かりした作品の状態を慎重に確認し、現在の状態を把握します。
本紙、縁、骨組みにバラしていきます。
骨には虫食いなどの被害がある場合が多いので入念にチェックします。
蝶番(和紙)をつけ直し、下張りを施します。
本紙の内容に合った布地などを貼り、その上にさらに本紙を貼り付けます。
塗り替えた縁、もしくは新調した縁を取り付けて完成です。